1990年頃にサンボーンと知らぬまま耳にして衝撃を受けた。ジャズと言えば「TAKE 5」、サックスと言えば渡辺貞夫さんのカリフォルニア・シャワーみたいな音しか聴いた事がなかったので、こんな音が出せるとは思ってもいなかった。
すぐにレコード屋さんに走って、店員さんに「こ〜んな音のサックスなんですけど、わかりますか?」と尋ねたらすぐにわかった。そして始めて買ったのが、Change of Heart。もう毎日聴いてしまった。
あんまりカッコ良くて、自分でもアルトサックスを吹きたくなり、同じメーカーのものを買ったらセルマーSerieⅡだった。その頃は、レジェンド達がみんなマークⅥとかを吹いている事等つゆしらず、サンボーンと同じ楽器を使っているというだけで興奮してしまったものだ。
サンボーンのいろんなレコードも入手したのだが、そのうちビデオを発見して、これまた衝撃だった。カッコ良すぎる!そのタイトルが「Love & Happiness」だった。
そのうち音楽学校に通って習い始めたはいいが、同じような音どころか、全く別の楽器としか思えない音しか出なくて意気消沈の日々。当時は、マウスピースやくわえ方を同じにしたら同じような音が出るかと思ったりしたが、サックスの先生からは、「デュコフじゃなくて、基本的なメイヤーから始めよう」とか言われた事を思い出す。
当時は楽器に入っている彫刻など、じっくり見た事もなくて、そう言えばなんか入ってるな位の意識しかなかった。まさか後に彫刻を仕事にするとは、不思議なご縁としか言いようがない。