今回は、ノンラッカー仕様のテナーサックスのネックに彫刻のオーダー。ひょっとすると、ノンラッカー仕様のものは初めてかな?後でメッキ加工をするため、ラッカーを剥がしたものに彫刻はたまにあるんだけど。今回のオーナーは、この楽器を凄く大事に手入れされてて、酸化皮膜が表面について良い色になっていた。かなりカッコ良くて、僕の好みでもある。

さて、絵柄に関しては、既に写真を拝見しつつやりとりをすませていたのだけれど、今回は僕にお任せいただいて植物柄でまとめてみた。お名前のイニシャル「K」をフィーチャーして、右面から左面に連なっていくイメージだ。

細かい点はいくつか確認があったが、凡そOKをいただき、進めていった。もっとも、この段階で描いていても、細かくは実際の現物に描き始め、彫り始めたら、こっちの方がいいんじゃないかという風に変化していくので、あまり細かい点はこの段階では詰める事はできない。

さて、彫り始めて気がついた事がある。彫る前は、表面がマット系の色なので彫った後がピカピカして目立つと期待していたのだけれど、実際はさにあらず。どうやら光を吸収して逆に目立たないみたい。これはちょっと期待はずれなので、ちょっと線を太く多く派手目に彫る事にした。

結果としては、想像以上のできあがりでビックリされたとのことで、まずはよかった。
良い楽器を相棒として末長く音楽を楽しんでいただけると嬉しい。