世界にただ1本だけ!自分だけのオリジナル彫刻を刻んだ愛器の作り方。

お客様からオーダーをいただいて彫刻をするのですが、まずは打診があって、ご希望を伺ったり、どの位の期間や費用になりそうかという会話から始まる。大体OK!という事であれば、次に、具体的にどんな絵柄にしましょうかね〜という会話から、イメージをふくらませて簡単なスケッチをして、ラフな構図を決めていく。凄〜く楽しいサイクルの始まり。

でもいきなり彫刻に入るわけにもいかなくて、どうすればイメージの線が彫れるか、細かい線を紙面上のスケッチで試して、金属板に試しの線を彫ってみたりする。この事前の作業だけで既に数日を費やしてしまう。この準備が非常に大事で手を抜けなくて、どんどん緊張感も高まる。

そして、いよいよ楽器本体に下絵を描いていくのだが、この段階で既に構図が変わって来たりする。やっぱり目の前にした楽器が「こう彫ってくれ〜!」と言ってきたりするからだ。最後は心を落ち着けて、彫刻刀を入れ始める。失敗できないので、スタート時は緊張MAX!そして、彫り始めると後は集中していく。

最終的には彫刻という方法でお客さんの想いを楽器に刻んで形にしていくのだが、お客さんの喜ぶ顔を見たくてこの仕事をやってるみたいなところがあるので、なんとか期待やイメージを越える仕事をしたい。

基本は、管楽器の手彫りの技術なのだけれど、いろんな彫刻師さんがいて、彫れる線やタッチも異なる。もちろん私の独自の彫り方もあって、その彫り方で彫れる線やタッチがある。私の過去作品を参考いただけるとありがたい。