今回のオーダーは、高校の部活で愛用していたトランペットに桜の彫刻。高校を卒業した記念で、そしてこれから大学入試に望むというタイミングだった。これはなにがなんでも『サクラサク』祈念でなければならない!!!!
楽器はV.バック・ストラディヴァリウスという銀メッキのモデル。このタイプのモデルの彫刻はもう身体に馴染んでいるし、桜をモチーフのデザインをお任せなので、あとはイメージを高めつつ集中するのみ。オーナーの演奏風景の写真もいただいていたので、イメージははっきりしてきた。言葉であげれば、『可憐』『キュート』というところだ。具体的にどこをどうするという訳ではないけど、そのイメージに合わせて勝手にレイアウトやタッチが変わる。
頭の中に全体のぼんやりしたレイアウトイメージができたところで、メインのエリアの下絵を描いて外枠線から彫り始める。そのエリアがはっきりしてから、改めて全体のバランスを整えつつ、周囲のレイアウトを決めていくという手順になる。
さて、ベル横が彫り上がった。パッと一目で全貌がわかる様なレイアウトではなくて、上から、斜めから、右横から、左横からと、いろんな角度から見た時にそれぞれ異なる表情が出てくるようにしたい。おじさんだったら、これをじっくりとあちこち眺めながらお酒が進むような感じね。このトランペットのオーナーさんは、まだ学生さんだから、お茶をしながらがいいけど。
最後に、ベル横の流れを受けてのベル先端。ここは、グルッと一周して彫ってしまうと興醒めに感じるので、余白の部分の割合が高いレイアウトになる。桜の花びらもチラチランと散って余韻を作りたい。
最後にアルコールで綺麗に拭きあげて、完成!
まずはメールでご報告して、宅急便で返送した。さあ、オーナーからの返事はどうなんかな?気に入っていただけるのか?
翌日、メールが返ってきた!
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こんばんは!楽器が届きました!
楽器を見た瞬間に息を飲むほど可憐で、美しくて、感動しました。ずっと眺めていられて、食い入るように見ています…笑
デザインもとっても素敵で、ベル先からピストン部まで動きがあってこの楽器が自分のものになるなんてほんとに幸せです!!
この桜が私が大学生になった証のように感じます☺️サークルで吹くのが今から楽しみです。みんなに自慢できる楽器だと思います!
早速コーティングして練習しに行きたいと思います!森脇さんに彫刻してもらって本当によかったです。ありがとうございました!
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ああ〜〜〜〜〜嬉しい。差し出がましいのだけれど、大学入試の結果も尋ねてみた。
結果は、無事合格!!!
正真正銘の『サクラサク』だあっ!!!!!!!!!
これからも、この相棒のトランペットと一緒に音楽を楽しんでいけますように、そして、奏でる音が愛と幸せを振りまいてくれますように!
なんて素晴らしい事だろう。こういう事が励みになる。今日はお祝いに、カミさんの「桜濁り酒」をいっぱいやってもいいだろう。