サックスの彫刻四方山話として伝え聞く所では、当初は彫刻家や画家が、楽器製造メーカーの要望に応えて彫刻をやっていたらしい。次の時代では、彫刻家や画家が絵や構図を描き、それを専門の彫刻師が彫るようになる。
もっと時代が下ると、おそらく生産本数がかなり増えただめではないかと想像するが、時間をかけずに彫りやすい絵柄になっていく。この頃はもうアーティストが素晴らしい絵を描く必要性も少なくなってきたのじゃなかろうか。
そういう状況の中、サックスの彫刻を日々見てるけど、たまに『なんじゃ、こりゃあ〜、凄え〜!』という作品を見かける。ヴィンテージものだ。
この彫刻の凄いところは、絵柄の美しさと彫刻技術の素晴らしさの両方のレベルが半端ないのだ。彫刻の技術で言えば、スジ彫りもギザギザ彫りも使うし、凄く凝った線の組み合わせで彫っている。現代ではまず見る事はできない。素晴らしいとしかいいようがない。
ただ、ところどころの彫りの深さに驚く。ロゴマークのプレス加工した場合もかなり凹むけど、この彫りも結構なもんだ。以前の記事でも書いた事だが、僕は彫刻は音質に影響すると考えている。ただ、それは表面にロウ付けされてるポストや板の影響や、調整の具合を含めた個体差よりもかなり小さいとも考えている。また、全体のバランスで考えると、彫刻≠音の良し悪しという事かな。
いずれにしろ、良い作品を見ては努力精進すべし!頑張れ、俺!