アルトサックスのネックの彫刻依頼をいただきました。

スターリングシルバー素材にクリアラッカー処理の製品で、既に何年か使用されたもの。どんな製品でも経年変化はあるもので、このネックも腐食が進んでいる。

ご本人からご希望を直接いろいろ伺ったので、イメージが明確にできた。表面の経年変化を好意的に捉えられる方なので、特にリラッカー等せずに、そのまま上から彫刻。絵柄は「桜」に思い入れがあるとの事だったので、そのままテーマは桜で決定!

全体の雰囲気は、ボリュームが多ければいいってもんじゃないという私の考え方をご理解いただき、おまかせいただいたので、余白も含めてネックの左右にどんなバランスにするかを考えていった。でも男性だし、力強さと優しさを持つお仕事とご本人のイメージから、結果としては割とボリューミーになって、桜のもつ優しさや和の心と、全体の華やかさがバランスとれるような雰囲気を心がけた。左面にはご本人のイニシャル「T」と「H」を飾り文字で入れて、右面には所属の楽団のマークを配置。それぞれ桜の中に違和感ないようにレイアウトしてみた。

後日、ご本人と楽団の皆さんからは好評だったとの連絡をいただいて、非常に嬉しい。これがあるからやっているようなもので、彫刻師冥利に尽きる。

ちなみに、今回は第一弾。次回第二弾をアップ予定。