以前の『A.Saxのネックにチューリップの彫刻を』をご覧になって、同じような雰囲気で『百合の花』の彫刻をというご依頼をいただいた。
オーナーさんは、中学生時代に吹奏楽部でサックスに出会い、音大に進んでさらに関係が深まり、今ではご自身の演奏も教える方も両方されている。音楽とサックスとのご縁がdeepにあって羨ましい方だ。
お使いの楽器はYAS875EX。今回は追加購入されたV1ネック(金メッキ)に彫刻を入れたいというご要望だった。
以前は百合の花をよく彫ったけれど、ずいぶん久しぶりな感じがする。
改めていろんな写真を引っ張ってきて見直してみたら、やっぱり華やかで美しい。そして花言葉はというと、色によっていろいろ差異はあるが、総じて『華麗』『純潔』が妥当だろう。
以前のチューリップの作品の感じで、左右対称ではなく非対称がいいというご希望だったので、ラフラフな画を描いてみた。左前面からスタートして、上面を通って右中面へ、さらにぐるっと左後ろ面への流れを想定してみた。
さあて、まずはいつものように彫刻刀を研ぐところからスタートします。ついでに包丁も研いだりすると、カミさんに喜ばれます。
養生もしたりして、左前から彫り始めます。
特にラフに入れてなかったのだけれど、蝶々にも飛んでもらいました。最近は定番になってきた。TATTOOでは人気らしいのだけれど、『蝶=幸運の訪れるお知らせ』という意味がこもってます。
できあがりのホヤホヤを宅急便で返送しました! どうでしょう、気に入っていただけるのか〜?
後日、返信メールをいただきました。
先ほど、完成したネックを受け取りました。
想像していた以上に素敵で、もっと早くお願いすればよかったと思いました!イメージ以上の素敵な左右非対称な百合、
マウスピース側に細く彫刻していただいたデザインも
すごく綺麗で、もう大好きなお気に入りのネックです。またぜひ他の楽器の彫刻もご相談したいと思います。
その時はよろしくお願いいたします。
どうやら気に入っていただけて良かった〜!
彫ったところは真鍮が酸化して濃い色になってくるはずで、その色変化も今から楽しみとの事だった。今度、どんなふうになったか教えてもらおう。
最近、彫り方の細かいタッチがどんどん変わってきた気がする。昔から彫っている絵柄でも同じにはしたくないし、進化していきたい。
どこまでも終わりがない感じがするね。